題材1、エモい感じのドラムンベース
こんにちは!
前置き
知り合いにエモい感じのドラムンベース作ってって言われたんですが、ドラムンベースはあんまり触れてこなかったジャンルなので、作るとするとまずはいろんな曲を聴き込んで特徴とかを知らないといけないですね。
それはさておき、音楽を学ぶならまずは歴史から、という話を聞いたのでドラムンベースの歴史についてちょっと調べてみました。
ドラムンベースの前身にあたるのはジャングル、というジャンルで、当時のロックやテクノ、レゲエといったいろんなジャンルを混ぜ合わせたものらしいですね。ヒンドゥースターニー語で荒地という意味から来ているみたいです。
また、ジャングルというと熱帯雨林の色々な生物が住む雑多なところから、色々なジャンルの曲が混ざったもの、という命名はまさに名は体を表すという事で面白いです。
このジャングルというジャンル、DJがターンテーブルの回転数を間違えてしまったところから始まっているらしく、新しいものの発展は常に奇想天外なところから生まれるという事も学べました。
ジャングルの生まれた経緯は調べれば出てきたのですが、肝心のドラムンベースの生まれた経緯は調べても出てこないですね。
ゆったりとした曲調ばかりの中から生まれたハイテンポのジャンル、そしてその中から特にドラムとベースの部分に着目した人がいた、という事でしょうか。
ベースなんかは低い音で曲全体を支える柱。本来は主役として出てくるものではないけれど、なくてはならない存在。そんなベースを愛し、なんとか表立たせたいという情熱を持った人が数多くいたのでしょう。
世の中、光の当たる存在ばかりではないけれど、例え裏方であっても必ず必要としてくれる人がいる。
もうエモいですね。
ドラムについては言わずもがな。リズムの芯ですから、表立たせたいベース、そしてドラムの2本の軸があればいいという事を、ジャングルという雑多なジャンルが混ざり合う存在によって気付かせてくれた、ドラムンベースの発祥はそんなところではないかと想像しました。
一つのところにこだわる。ここでも出てきましたね。もしかして本質?
そうすると、ジャンル名はドラムンベースじゃなくてベースアンドドラムになるのでは?
いや、表立たせてくれる舞台があったとしても主役をドラムに譲るその謙虚さがいいんでしょうか。
このあたりは全て妄想で真相は知らないので、間違っていても責めないで下さい。
長くなりましたが、ここまでが前置きでした。
本題
背景を作るために
ドラムンベースの成り立ちについて考えたところで、どうやって背景を作っていくか考えていこうと思います。
安直ですが、やはりドラムンベースが生まれる事となったジャングルの意味、荒野というところと、意外なところから生まれた、というところを活かしていくのが自然ですかね。
それでは、早速考えていきましょう
背景を作る
第1章、始まり
舞台は未来、多くの戦争があり、文明のほとんどが失われ、あとは滅びを待つのみ。
そんな荒野を一人の男が歩いていく。
彼には希望があった。
彼の希望、それこそが、音楽。
幼少期、周りの人は皆、絶望に打ちひしがれ、彼もその例外ではなかった。
ただ命がそこにあるのみで、生きているとは決して言うことは出来ない。
そんなある日、彼は出会ったのだ。
行商人である一人の男の目には光があった。
希望があった。
生きる意志があった。
その男はいつも通り物を売ろうとするがあまり買う人はいない。
それもそうだ、何かを買うと言うのはそれも一つの意志。
生きる意志を失っている人々には何かを買う意志さえもほとんどないのだ。
その様子を見て行商人の男はある物体を取り出した。
男が奏でる音色に、周りの人間たちは驚き、そして涙した。
よくはわからないが、この音を聴いていると生きる活力が湧いてくるのだ。
彼も周囲の人と同じように、行商人の男が奏でる音色に感化され、初めて聞く音色が心に刻まれ、そして一つの目標を立てた。
ぼくも行商人の男のような、人に生きる希望を与えられる人になりたい。
幼少期のこの経験が、彼のこれからの人生を変えたのだ。
彼はその強い想いを胸に、旅を始めた。
第二章、出会い
彼は希望を胸に、荒野を一人進む。
しかし、うまくいかない事ばかりだ。
人に希望を与える、なんて言葉、思うのは簡単だが、実際にはとても難しい。
幼少期に出会った行商人の事は断片的にしか覚えていないが、その男が音色を奏でた物体、あれがなんなのかもわからないし、自分には同じようなものもない。
だけど、あの感動を人に伝えたい。
その想いだけが彼を動かした。
いつものように荒野を進むと、荒れ果てた一つの廃墟を見つけた。
彼はなにか掘り出し物はないか探す。
すると、いくつかの物体がセットになったものを見つけた。
これはなんだろう。
ふと近くに置いてあった棒で物体を叩いてみた。
なぜそうしたかはわからないが、何か大きな意志のようなものが彼をそうさせた。
するとどうだろう。その物体から出る音は彼の身体に、骨に、魂に響くような感じがする。
これはまさか!
彼は直感した。
行商人の持っていたものとは形も大きさも全く違うが、本来の目的は同じものだと。
そう、これが彼とドラムの出会いである。
とりあえず叩いてみる。
音が出る。
とりあえず複数回叩いてみる。
これはいい感じだ。
彼はもちろん演奏方法などわからない。
試行錯誤を繰り返し、心地よいリズムがある事を見つける。
そして彼はこの物体を、心を楽しませるための物、という意味合いを込めて、
楽器、そう名づけた。
彼は手にした楽器と共に、旅を続ける。
第三章、歩み
彼は楽器を演奏しながら各地を転々としていた。
拙いながらも彼の奏でる音に、みな驚き目を見開いた。決して彼が与えられたような強い希望ではない。
しかし、凝り固まった絶望という思想に一石を投じる事は間違いない。
そして想いは伝播する。
彼の演奏が与える影響は小さくとも、人が生きるきっかけとなるのだ。
いつものように彼が集落を訪れると、また別の物体を手にする男と出会う。
その男が持っているものもまた、楽器。
彼の持つもの、行商人が持っていたもののどちらとも違うが、この身体の芯に響く音は間違いない。
これがベースを持つ男との出会いだ。
男に話を聞いてみると彼は驚いた、
この男も、幼少期に行商人との出会いを果たしていたのだ。
同じ運命を持つものは引かれ合う。
ドラムを持つ彼とベースを持つ男、そのどちらも行商人に感化されて旅を始め、そして楽器を手にしたのだ。
意気投合した彼と男と彼は2人で同時に音を奏でてみる。
するとどうだろう。
個々の楽器でも響く音が見事に調和され、さらに心地よいものとなった。
これは1人で旅を続けるよりも、2人の方が多くの感動を与えられるな。
彼と男は同じことを思い、そしてドラムンベースが世界に再誕した。
第四章、巡り合い、そして。
今日も彼らは荒野を爆走する。
一握りの希望を広め、多くの人が穏やかな生活を過ごせる世界に辿り着くため。
彼らの旅路には多くの出会いと別れがあった。
いくつもの集落を訪れ、そして演奏し、人々に希望の種を植え付け去っていく。
その姿はまさに、彼らが幼少期に憧れていた行商人な姿そのものだ。
旅を続ける道中、彼らとはまた違った楽器を持つ人とも出会う、そしてその人もまた、同じように行商人との過去を持つ人だ。
時には共演し、時には1人での演奏を聴き、彼らは旅を続ける。
そして旅路の果てに彼らは再び出会う。
遠くより聞こえてくるこの音色。
近づくにつれ音も鮮明になってくる。
あの後ろ姿は間違いない。
そう、彼らが幼少期に出会った行商人だ。
しかしなぜだろう。昔聴いた音色とはどこか違う気がする。
彼らに行商人は怪我をしたと言った。
以前のような美しい演奏はもう出来ない。
だが、胸の内に秘めた思いは変わることなく、その心を込めた演奏は人を良い方向へと変えていく。
彼らは行商人と共演した。
その音色はどこか歪で、そして切なく、それでも魂は伝わる。
演奏を終えると行商人が突然倒れる。
ざわつく空気。
心配した彼らも行商人のそばへと駆け寄る。
行商人は怪我をしていたわけではない。
病気だったのだ。
荒廃した世界でまともな治療が受けられるわけもなく、終わりゆく命の中でも希望を失わず演奏を続ける。
次第に衰えていく演奏技術。
彼らと出会った時にはすでに死期を迎え、それでも限界を超えて活動を続けていた。
技術ではなくその姿勢、その魂こそが人の心を打ったのだ。
行商人は成長した彼らの姿を見て安心した。
自分の残した音は、この終わりゆく世界の中でも希望を残し、人を前に向かせる事が出来たのだと。
そして、自分の跡を継ぐ人もできた。もう思い残す事はない。
彼らは涙し、そして決意を新たにする。
この世界がどうなっていくのかはわからない。
しかし自分達は自分達にできる事をするだけだ。
確かな想いを胸に、彼らは再び旅を続ける。
人の心に響く音を世界に残しながら。
後書き
え?なんでこんなに長くなったんですか?
そもそもこんな話をたかだか2分〜4分という短い時間の中に込めるんですか?
そもそも曲作りすらまともに出来ないのにいきなりハードルが高すぎるのでは。
この曲できるのが1年後になるか2年後になるか、はたまた作られる事はないのかはわかりませんが、どちらにしてもまあ題材作りという練習にはなったと思うのでよしとしましょう。
それではまた。